スズキ塗装は、前代表 鈴木和行が昭和44年若干22歳で夢と希望をもち、開業しました。
創業当時、若くて信用のない父は当然、満足に仕事が頂けず知り合いの大工さんや工務店さんに営業し、私達家族を養っていくのがやっとでした。
毎日夜は遅くまで残業し、1年を通して休みはお盆や年始くらい、父親と遊んでもらった思い出はほとんどないくらいに、ただひたすら我武者羅に働いてくれていた記憶が有ります。
昭和50年代に入り、空前のバブルで高景気を迎え、スズキ塗装も次第に安定したお仕事を頂けるようにまでなってきた矢先、取引き先だった建築会社が突然の倒産。
仕事をした、約3ヶ月分が頂けずに、それどころか借金をして塗料代金、人件費を払う事になってしまった。
私達家族はその時、もうスズキ塗装は終わってしまうんだと覚悟を決めていました。
次の日もいつもと同じように起き、仕事の準備をし始めました。 私は父に言いました。
「何をやっているんだ。もう塗装屋辞めて、コツコツと借金返してこうよ」。
すると父は、「まだ、塗り替え中だ。中途半端に出来るか。それに、俺は昔からペンキしか塗れないんだ。塗装以外の仕事なんてできん。お前たちには迷惑はかけん。」そう言って、仕事に向かっていきました。
初めて見た気がします。塗装に一生を捧げている父の職人の目を。
数か月後、私はスズキ塗装で働いていました。
当時働いて会社を辞め、実家の家業の手伝いをすることにしました。
安定した生活から、将来が見えない会社に行くなんて今、振り返ってみてもこれという理由が見つかりません。
しいてあげるならば、父たちが守ってきたスズキ塗装を一緒に守りたかったのかもしれません。
父があの時見せた目に心を動かされたのかもしれません。 私は、感謝しています。
あの時、建築会社が倒産していなかったら。借金をしていなかったら。
今の私はいなかったでしょう。もしかしたら決まっていたのかもしれません。
塗装の道に進むことを。